昨今、ローストビーフがとても身近な肉料理になってます。
ローストビーフといえば、
昔は、一流ホテルで食べるお肉料理、銀盆のワゴンに乗った大きな塊の肉汁たっぷりのお肉を、別添えのおソースと一緒にサーブしてもらい、1枚か2枚をちょこちょこ切って食べる…そんなようなホテルの“洋食”というイメージでした。
実際、昔老舗のホテルでいただいた上等なサーロインの大きな塊をローストしたローストビーフは、「もう一枚…」と何枚でも食べられそうな美味しさでした。
時代は変わり、最近では、ステーキやローストのお肉には、霜降りよりも熟成された赤身肉が旨い、と言われるようになったり、今も昔も変わらず霜降りのサーロインがローストビーフ界、ステーキ界を征する、というわけでもなくなっています。ローストビーフの付け合わせと言えば、クレソンに面取りした人参だったはずが、今や丼にしてワサビや温泉卵と一緒でも何の違和感も無いほど、ローストビーフ界は多様化してます。
そんな中、私の今一番美味しいと思える「ローストビーフ」は、
幾分サシの入った新鮮な赤身肉(モモ肉/フィレ肉)で作る低温調理のローストビーフです。
牛若丸精肉店では、ローストビーフを作りたいとお伝えいただければ、
お好みをお伺いして、いくつかの部位で塊のお肉をご用意する事も可能です。
好みの塩加減、薬味のバランスなど、作るほどに自分の好みのものに仕上がって行くのも楽しいです。
塩は思ったよりきつめに、表麺には牛脂を塗りしっとりとさせ、柔らかく仕上げます。薬味はタイムと切らないにんにく粒の黒胡椒のみ。切ってしまうとどうしても風味が薄れるので、ゲストが来るまで包んでおき、こんなふうにプレゼンテーションし、メインディッシュの時間に厚切りにしていただきます。
柔らかいのに食べ応えがあって、いつでも「旨い!」 と言ってもらえる肉料理です。
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